先日、ある入試情報誌の編集長の方からインタビューを受けました。今秋の私学入試のことが中心ですが、その中に、「今年度の入試の出題課題の中で印象に残ったものを一つだけあげてください」という質問がありました。
先生やお母様によって、いろいろなご意見があるでしょうが、私は慶應義塾幼稚舎の男子の2日目の課題のひとつである「透き通ったプチプチのビニールに、マジックで正義の味方の顔を描いてください」ですとお応えしました。
ご存じのように、幼稚舎の絵画の課題はたくさんの先生方が、興味を持った絵を描いている受験生に様々な質問をします。「何を描いているの?」「どうしてそれが正義の味方なの?」「大きくなったらそんな人になりたいの?」など。
皆さんだったら何を描かれますか?私たちの世代では、正義の味方=月光仮面やスーパーマンが頭に浮かびます。ウルトラマン・仮面ライダー・セーラームーンなどが浮かぶ方もあるでしょう。このようなドラマやアニメの主人公でなく、お医者様・お巡りさん・弁護士の先生などが浮かぶ方もあるでしょう。また、お父様・お母様・幼稚園や学校の先生などが浮かぶ場合もあるでしょう。場合によっては自分の顔を描いてもいいでしょう。
このような課題には、これをやっておけばいいという準備の仕方がなかなかありません。絵画を上手に描く練習、質問に適確に応える練習も多少は役に立ちますが、絵の上手下手、お応えの仕方だけで高評価は得られないでしょう。何を正義の味方と考えるか、どうしてそれが正義の味方なのか、という本質的なところは練習で身につくものではないからです。
でも、ご家庭の子育ての総合力、子供の価値観・考え方などが良く分かるすばらしい課題だと思います。このような課題を考え出す先生と学校に尊敬の念を感じ、拍手をおくるのは私だけではないでしょう。
小学校入試準備も、このような課題にしっかり応えられる子供に、ご家庭と一緒に育てているんだと考えると、結果=合否は別として楽しくなり、やり甲斐を感じます。
ご家庭なりの「正義の味方」をお子さんとぜひ考えてみてください。 (2005年11月29日)
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