先日、あるお父様から「今、地方に住んでいるのだが、来年転勤で東京に戻ってきます。現在、その地方の国立附属幼稚園に通っているのだが、模擬テストを受けてみたところ、あまり芳しい成績でなかったのだが、東京の人気校の受験は可能だろうか?」というご質問を受けました。
お父様のおっしゃる受験可能は、合格の可能性があるかどうか、ということだと思います。「大丈夫。絶対合格させます」とお応えになる先生もいらっしゃると思いますが私のこの応えは「わかりません」です。
まず、お子様の現状がよく分かりません。1・2回の模擬テストでの評価が低くても低い理由が、単に知らないだけなら、今からでも十分間に合う可能性はあります。あるいは、初めての模擬テストでとまどって、力を発揮できなかったのか知れません。
また、今まで東京にお住みで小学受験を意識して意識して生活してこられた方に比べてどこが欠けているのか、逆に、地方でのびのびと育ったことによって、都会の子が身についていないどれだけ素晴らしいものを身につけてこられているのか、も分かりません。
ただ、言えることは、来年東京にお戻りになって、私立か国立か公立かは分かりませんが、どこかの小学校に入学なさって、6年間をお過ごしになることになります。その時に、充実した小学校生活を送れるような準備は必要でしょう、ということです。そのために、私学を目指して準備することは、決してムダにはならないでしょう。
その際、ご両親に注意していただきたいことは、「ムリをしない」ということです。目標の私学の出題レベルの課題をいきなりやらせるのではなくて、段階を追って、一歩一歩階段を昇っていっていただきたいのです。お子様にプレッシャーをかけながら、ムリを強いて、お子様のよさを消さないでいただきたいのです。
おそらく、東京の人気校を「大丈夫ですよ。安心して受験にお臨みください」というところまではなかなかいかないと思います。でも、「合格の可能性はありますよ、頑張ってきてください」と送りだせるところまでいくことは、それほど難しいことではありません。そして、受験する方の半分以上の方はこのレベルです。その中で、数多くの運のいい方が、結果として合格通知をいただくことになるのです。 (2003年6月26日)
〒136-0072
東京都江東区
亀戸2-27-13
TEL.03-3683-4152
FAX.03-3683-4157