前回、楽しい無理のない環境の大切さに触れました。今回はその続きです 女子の多くの選手の場合、2・3歳から小学生時代は、女子だけではなく同世代あるいはやや上の世代の男子に交じって、競技をやり始めた方が多いように感じました。
「面白いから…」「楽しいから…」とお子さんの興味・関心のままに、「女の子だから…」「まだ○歳だから…」という大人の感覚でおかしな枠をはめずに始めさせた結果、「男子に負けたくない!」「お兄さん・お姉さんに負けたくない!」「あれもできるようになりたい!」という競争心・向上心が強い子が、人並みはずれた努力の結果、持って生まれた才能が磨かれて伸びていったのだと思います。もちろん「女の子だから」「まだ小さいから」と女子だけのあるいは年齢別のことをやらせても、才能は開花したかもしれません。
私が、皆さんに考えていただきたいのは、10歳くらいまでは、性別・年齢別の違いよりも、その子のおかれている環境からくる体験・感性の違いの方が、大きな違いになっているということです。
たとえば肉体的な筋力も、必ずしも女子が男子より劣っている、年少児・年中児は年長児より劣っているということはありません。お手伝いでお母様のお買い物について行き、ほどほど重い荷物を持っている子は自然と筋力がついています。年少児・年中児でも鉄棒に1分くらい平気でぶら下がっていられる子になります。逆に、大事に育て過ぎて、まだ小さいからと自分の物もお母様やお父様が持ってあげていると、年長児でも鉄棒にぶら下がると10秒も持たずに落下する子になります。
同じことが、知育の面でも、お行儀や他人の気持ちを思いやることでもいえます。小さいからといって、甘やかし過ぎると自分勝手のわがままな子になります。うるさく言い過ぎると、大人の顔色をうかがう子になります。無理なく、ご家庭のご事情・価値観、お子さんの成長に合わせて、大人の考えであまり枠を決めないで、興味・関心のある分野を存分に伸ばしてあげてほしいと思います。それが、その子の特性・長所となるのです。
(2012年8月16日)
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