今回のオリンピックでも、3連覇、連続メダル、連続出場での悲願のメダルなど派手なタイトルのついた記事が目立っていました。
いろいろな世界大会がありますが、オリンピックが他の大会との大きな違いの1つは、4年に1回ということだと思います。ですから、連続出場・連覇は2年間ではなく、4年間力を持ち続ける、3回連続出場・3連覇は8年間ということになります。1年間でも肉体的にも精神的にも、実力・緊張感を維持し、持続することは大変なことです。それを目指して、残念ながら涙を呑んだ方が、数多くいらっしゃる上に、打ち立てられた金字塔だから、派手なタイトルがつくわけです。
小学校入試も、直接的な準備期間は、1・2年の方が多いと思います。中には、幼稚園受験時から小学受験を視野に入れ、計画を立てられている方もおられるでしょう。逆に、年長の夏休みくらいから考え始め、2〜3ヶ月の準備しかされていない方もおられるでしょう。国立附属校受験の方では、抽選に通ってから、本格的な準備を始められる方もおられます。
小学受験の準備期間・準備方法は、様々です。そして、幸運な方は、合格の栄冠を勝ち取られ、「おめでとう!」と周りの方々から祝福を受けられるわけです。だが、それは志望校で6年間過ごす事を認められたにすぎません。オリンピックでいえば、参加選手に選ばれたにすぎません。「オリンピックは参加することに意義がある」という言葉を聞いたことがありますが、そこまでの努力を認めた言葉として、ある意味、正しい言葉だと思います。同じように「小学校受験は合格することに意義がある」といえるでしょうか。お子さんとご家庭を高めるための正しい努力を称える言葉としては意味があるかもしれません。しかし、合格の本当の意味は、「うちの小学校で6年間生活する力がありますよ」と小学校の先生方から認められ、その小学校で充実した6年間を過ごされ、系列の中学あるいは別の志望する中学に、安心して進めるための基礎力を培うことにあると思います。
小学校生活の6年間は、短いようで長いです。6年間のうちに様々なことを体験します。お子さんも保護者の方も思いどおりにいくことばかりではありません。むしろ、思いと違うことの方が多いかもしれません。「この学校でよかったなぁ〜」「いい先生・お友達に恵まれているなぁ〜」と感ずることも多いでしょう。一方、「別の学校の方がよかったのでは?」「いろいろな方がいらっしゃるなぁ〜」などと感ずることもあるでしょう。そのすべてに、親子で協力して上手に対処していかねばなりません。小学受験を考え始めた初心と合格を戴いたときの充実感・満足感を忘れずに、6年間、適度の緊張感と向上心を維持しながら、正しい努力を忘れずに続けられれば、卒業時にそれぞれの胸にメダルが輝いていることになると思います。 (2012年8月20日)
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