あるお母様から「父親は私学受験に理解はあるのだが、実際は仕事が忙しいので、準備は母親任せで、親子面接や両親面接の際にしっかりお返事できるのか心配です。夏休みにどんなことをしてもらったらよいのでしょう?」というご相談を受けました。
お仕事でお忙しいお父様が、ある程度まとめてとれるお休みに、受験に向けて何をしていただいておいたらいいのだろうか、というご相談だと思います。
私学の面接で、学校がお父様にお聞きしたいことの第一は、お子さんの保護者として頼れるお父様かな、ということです。経済的・社会的に安定しているか、そして、たとえ短い時間でも、お子さんとのコミニュケーションをしっかりおとりになって、お子さんのことをよく理解しておられるか、ということです。その上で、志望なさっている学校のことをよく理解して、この学校となら協力してお子さんを大きく成長させていけると思ってくださっているお父様か、ということです。
お仕事でお忙しいお父様だと、お子さんとの会話も朝の短い時間や日曜日くらいしかとれない、という方も多いことでしょう。普段はそれでもいいのです。ただ、短い時間であっても真剣にお子さんに向かい合ってあげてください。頭の中でお仕事のことを考えながら、上の空で返事をしたり、かまってやれない負い目から何でも言うことを聞く物分かりのよすぎる甘い父親にならないでください。
さて、夏休みですが、まず、親子での旅行・お出掛けなどご家族だけで過ごせる時間を作りましょう。そこにはドリルなどは持っていかずに、自然の中での様々な生き物や自然現象との触れ合いを親子で楽しんでください。そして、お子さんがどんなものに目を輝かせているかよくみてあげてください。さらに、「なぜ?どうして?」という疑問がでたら、一緒に考えてやってください。単に答えを教えるのでなくて、お子さんがより深く考えられるようヒントを出してやってください。お子さんが寝た後は、お母様の日頃の子育ての悩みや迷いにも耳を貸し、一緒に考えてあげてください。たとえ、答えは出なくてもいいのです。お父様とお母様が一緒に考えることが大切なのです。
また、お子さんが、幼稚園の夏期保育や幼児教室の夏期講習などに参加している場合などでは、お母様の代わりに送り迎えや父母教室に参加してみるのもいいでしょう。ご家庭ではみられないお子さんの姿に感動したり、悩んだりしてみてください。
さらに、志望校にご家族揃って行ってみることをお勧めします。もちろん、校門が閉まっていて誰も居ない場合もあります。プールやクラブ活動の生徒たちの学校見学会とは違った様子がみられる場合もあります。日直の先生がお話をしてくださったり、校内を案内してくださる場合もあります。そういう様々の様子も学校を理解する大きな助けになります。お忙しくて学校説明会に参加できなくとも、余りあるものを感じとることができるでしょう。それをお母様と語り合ってください。1回でも口に出しておくと、面接などの際も自然と出てきます。
要は熱意です。忙しいを理由にすべてをお母様に任せないで、できる範囲で頑張ってください。お子さんやお母様が1番頼りにしておられるのはお父様です。
(2003年7月17日)
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