先日、雨の日のことです。来室した2人の年長児にかさを畳ませたり、開かせたりして、かさを上手に扱えるかを見てみました。2人とも何とか畳んだり、開いたりしています。「幼稚園では、かさの畳み方や開き方を教わるの?」と質問したら、「園バスに乗る時に、お母様に持って帰ってもらう。」という返事でした。お母様に確認すると、「そうです。かさだけでなくレインコートも脱いで、持って帰って、お迎えの時にまた持って行きます。」ということでした。
おそらく、かさやレインコートでふざけたりしての危険を避けるためとお友達のものと間違えてのトラブルを避けるためだろうと思います。そこで、他の幼稚園や保育園の方にもお聞きしてみました。園バスのある幼稚園やインターでは、そういうところが結構ありました。園バスのない幼稚園や保育園では、普通に自分で管理して、かさ立てに置いておくところが多数派でした。小学校から中学・高校に続く幼稚園の場合も後者が多いようでした。
小学校入試では、しばしば生活力、単なる知識ではなく生きる知恵ともいえるような力が求められることがあります。
このような力はいろいろな体験から身に付きます。自分の物を間違えずにしっかり管理する力、使い方によってはやや危険な物も上手に使いこなす力は、日ごろの生活から身につくものです。もちろん、そのものを誤って使った時の危なさをしっかり教えた上で、正しい使い方を教えるのが、保護者や先生とよばれる方々の役目だと私は思うのです。安全第一=危機回避=トラブル回避を重視しすぎているように感じます。
幼稚園児に彫刻刀やカッター、あるいは火薬などを使わせるのは私も賛成しません。しかし、お料理に興味を持っている子供にお母様が包丁の使い方を教え、あるいはクッキーの作り方を教え、一緒に楽しく、野菜を切ったり、お菓子を焼いたりするのはとてもいいことだと思っています。指を切る、やけどをすることを恐れ、そういう体験をさせてあげないのは可哀そうだとも思います。
プリントで、いい子・悪い子を選ぶ力ももちろん大切ですが、実生活でかさを上手に使い、周りの方にご迷惑になるような使い方をしないような躾をすることの方がはるかに大切なことのように思います。
皆さんは、どう思われますか?大切な我が子の幼児期に、何を教え、何を身に付けておいてほしいと思われますか? (2014年3月8日)
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